代表者メッセージ
朝日新聞総合サービス株式会社は、朝日新聞社、朝日新聞出版からのバックオフィス業務の受託に加え、朝日新聞グループ全体のシェアードサービスセンターを目指してウィングを広げようとしています。同時に進めているのが、全社を挙げたDX推進で、2022年から本格的に取り組み、すでに4年目に突入しました。バックオフィス業務でのDX推進の取り組みは、働き方改革、人手不足対策、業務効率化などの観点から必要不可欠なものとの位置づけにとどまらず、AI時代の到来を見据えると企業の生き残りをかけたものとなるでしょう。
弊社では当初からDXで「面倒」で「マンネリ」だけど「ミスできない」仕事からの解放を目指しました。その担い手は、デジタルの専門家や技術者ではなく、日々、業務に向き合っている従業員一人ひとりです。そのスタンスはAIの活用においても変わりません。DX推進、AI活用を通じて、従業員一人ひとりのデジタルスキルが向上すること、顧客の皆さまへ効率的で安定したサービスを提供すること、そして弊社の企業価値が向上すること、いわばすべてのステークホルダーに役立つことを目指していきます。
朝日新聞総合サービス株式会社
代表取締役社長 敷田義人
朝日新聞総合サービスのスローガン
「高い品質のサービスを通じて、お客様に安心と満足をお届けします」
「人間性豊かな専門家を育て、活力と創造力に満ちた集団であり続けます」
イノベーションの担い手として
デジタル技術の進展やクラウド化により、市場やシステム環境は急速に変化し、従来のビジネスモデルに大きな変革をもたらしています。こうした変化を受け、弊社のスローガンを踏まえてDX推進のビジョンを「従業員一人ひとりがイノベーションの担い手である自覚を持ち、デジタル技術を活用して高品質なサービスを届ける企業を目指す」と掲げました。
既存の受託事業の業務効率化を進めるとともに、朝日新聞グループを中心としたシェアード事業の拡大と新規事業の創出にも取り組んでいます。従来のビジネスモデルを刷新し、より効率的かつ質の高いサービス提供を目指します。
最新のデジタル技術やAIの積極的な導入は、企業の成長と競争力強化に欠かせない要素です。特に生成AIはデータ分析やパーソナライズされた顧客対応、業務自動化といった幅広い領域での活用が拡大しています。こうした先端技術を効果的に取り入れ、従業員一人ひとりが高いデジタルスキルを習得し、主体的にイノベーションに取り組むことで、高品質なサービスの継続的な提供を追求します。また、これまでに蓄積したナレッジを活用し、変化する顧客ニーズに応える新たな価値を創造します。
日本をはじめ多くの国で少子高齢化による労働力不足が深刻化しています。このような状況の中で、限られた人材を最大限に活用しつつ、多様な働き方や価値観に柔軟に対応することが求められています。デジタル技術とリモートワークの導入を進め、場所や時間にとらわれない柔軟な勤務環境を整備しています。これにより多様な人材の採用を促進し、従業員一人ひとりが自分らしい働き方で能力を最大限に発揮できるよう支援しています。また、優秀な人材確保のための採用競争が激化する中、多様な価値観やキャリア志向に応じた教育研修やキャリアパスを充実させ、働きやすさと成長環境の両立に努めています。
デジタル技術や顧客対応履歴、技術ノウハウを活用し、既存事業の効率化、シェアード事業の拡大、新規事業の創出などの事業構造改革に取り組みます。環境の変化に柔軟に対応できる革新的な企業文化の醸成にも注力し、企業競争力の向上と持続的な成長を目指します。
既存受託事業では、業務プロセスの見直しに加え、自動化ツールの導入やクラウド環境を活用したシステムの最適化により、大幅なコスト削減と生産性向上を実現します。シェアードサービス拡大では、複数のグループ企業間で共通業務やサービスを共有することでコスト削減、業務効率化を図ります。また、新技術や市場ニーズに即した新規事業の創出にも注力しています。社内外のリソースを融合させたオープンイノベーションを推進し、新たなビジネスチャンスを探索します。
DX技術を活用して業務プロセスの自動化・共有化を推進し、迅速かつ高品質なサービスを提供することで、顧客満足度の向上を目指しています。
業務プロセスや顧客対応に関する知見をナレッジデータとして体系的に蓄積し、安全かつ効率的に管理できるデータベース化に取り組みます。過去の事例やベストプラクティスを迅速に参照できるようになり、顧客からの問い合わせにスピーディーに対応することが可能になります。さらに、蓄積した事例や社内ノウハウをもとに継続的な業務改善を図ることで、業務の属人化を防止し、対応品質の均一化を実現します。高品質なサービスの安定的な提供と顧客満足度の向上に貢献します。
DX技術を単なる個別のツールでなく、組織全体で共有する資産と位置づけています。部門間で技術を共有することで、情報の一元化と迅速なアクセスを実現し、工数の削減を図ります。各部門の継続的なBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)活動により業務プロセスを見直し、RPA(Robotic Process Automation)やAI-OCR(Optical Character Recognition)などのDX関連技術、AIを活用し、業務の自動化と効率化を推進します。継続的な教育と情報共有の仕組みを整え、組織全体のデジタルリテラシー、スキルの向上を目指します。デジタル技術の変化に柔軟に対応できる強固な基盤を築き、持続的な競争力を確保します。
DX推進活動を恒常的かつ日常的な業務と位置づけ、これまで時限的なポストだった「DX推進プロジェクト担当」を「DX推進担当」という正式なポストに変更しました。組織全体の知識基盤を強化し、イノベーションを促進する体制の確立を目指します。さらに、社内の各部門からDX推進の実務担当者を選出し、組織全体でDX推進に取り組む体制を一層強化しています。部門横断的な連携と迅速な意思決定が可能となり、DX推進の効率と効果を高めています。
従業員のITリテラシーと専門的な技術スキルの向上に取り組んでいます。基礎的なITリテラシー教育からセキュリティー対策、DX関連技術の専門的な研修まで、体系的に教育プログラムを実施し、従業員一人ひとりがイノベーションの担い手として成長できる環境を整えています。
RPAやAI-OCRなどのDX関連技術に関する研修・講習を毎年開催し、従業員の業務プロセス自動化や効率化に貢献するデジタルスキルを着実に伸ばしています。これにより、デジタル技術を効果的に活用できる人材の育成を推進しています。
高品質なサービスを提供するため、「総務系/DX・IT系アドバイザー」の育成を目指しています。顧客への的確かつ効果的なアドバイスとサポートを強化し、顧客満足度の大幅な向上を目指します。実務で得た知見をナレッジデータとして蓄積し、組織全体で共有することで、業務効率の向上とサービス品質の均一化を図ります。社内公募によって多様なバックグラウンドを持つ意欲的な人材を広く確保し、適切なキャリアパスを提供することで、組織の柔軟性と競争力を高めていきます。
2022年より本格的にDX推進に取り組み、RPA、AI-OCR、生成AIツールを導入し、様々な業務で積極的に活用しています。日常業務ではクラウドの生産性プラットフォームを利用し、メール、予定表や情報の共有、文書作成や共同編集、ファイルの共有、Web会議など多彩な機能を一体的に活用しています。コミュニケーションツールを利用することで社内の円滑な運用を可能にし、効率的な業務遂行を実現しています。
ITサービスの提供や管理を効率化するためITSM (ITサービスマネジメント)ツールを構築し、各プロセスの効率化・自動化を目指します。サービス速度と品質を向上させ、ユーザーの要求に迅速に応えることが可能となります。定型業務の自動化で人的リソースをより価値の高い業務に振り向けることができます。ユーザーのニーズを把握し、フィードバックをもとに運用・管理プロセスを定期的に見直して改善し、満足度向上と信頼性の高いサービスの提供を実現します。
従業員が常に最新の知識を保持できるようデジタル技術の環境変化に対応し、最新のトレンドや市場動向の把握に努めています。得た情報や技術は社内で共有し、各部門が効果的に活用できる体制を整え、社内での技術評価やフィードバックを通じて導入技術の有効性を確認して継続的に改善しています。従業員のスキル向上のため、技術教育や実践の機会を提供します。専門性が高い分野では、外部講師による研修を実施し、専門知識の深化も図ります。これらの取り組みにより、環境の変化に柔軟に対応しながら、持続的に価値を提供できる体制を強化しています。
DX推進の取り組みが戦略的に達成されているかを評価するために、社内研修参加率、業務改善実施率の指標を設定します。
従業員のスキル向上を促進するために実施するDX関連技術研修への参加率を測定し、技術浸透度を評価します。目標は年間約60%の参加率を目指します。
BPR活動で提出された業務改善提案のうち実施された割合を指標とします。継続的なサービス改善の取り組みを評価し、顧客対応品質の向上を図ります。目標は40%程度の提案実施率を設定します。